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PREMIUM FRIDAY大人の活かせる美知識講座 参加レポート

大人の活かせる美知識講座

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幅さんが解説!教養が身につく“美知識”本の講座で、プレミアムフライデーを満喫!

2017.6.30

毎月プレミアムフライデーに開催している、「オトナの活かせる美知識講座」では、知れば“ちょっと賢く”なれるお得な情報をお届けしています。2回目・6月30日(金)のゲストは、本と人を繋ぐブックディレクターとして知られる幅允孝(はばよしたか)さん。

今回は、グランツリー武蔵小杉のためだけに、幅さんはオススメの本を15冊も紹介してくださいました。ここでは、その中からジャンル別に紹介していきます。

本は食べ物と似ている。
自分の今の気分に合わせて、ピンときたものを読もう!

幅さんは、国内外の企業、商業施設、美術館、動物園などのライブラリーを手がけています。さらに、本の編集や執筆なども行っている、まさに本のプロ。絵本、児童文学から学術書や専門書まで、本を知り尽くした幅さんが、おススメする作品とは……?

まず、最初に紹介したのは詩集でした。

戦後の女性詩人・石垣りんさん、続いて、茨木のり子さんの本を解説してくださいました。

「詩集はあまり手に取る機会がないと思いますので、ご紹介しました。詩の魅力は、心にぐぐっと沁み込む表現に出会えることです。石垣さんは台所や料理など、日常風景を作品にしており、その表現にゾクッとくることも。紹介した『空をかついで』という作品集の中では『儀式』という作品をクローズアップしました。茨木さんは表題作にもなっている『自分の感受性くらい』という作品がいいですね。自分で自分を律し、ピンと生きていく支える力が生まれてくると感じます。茨木さんは厳しくも激しい詩で知られていますが、彼女の死後に発表された『歳月』という詩集はそれとは全く違う、世界観の作品。これは、夫・三浦安信さんが亡くなってから30年以上に渡って書いていて、決して人には見せなかった夫への愛をつづった作品を集めたものです。」

彼女たちの詩は、人間の本性を正直にあぶり出していくのが特徴。厳しく、甘く、女性として大変な時期を過ごし、そこから感じたことを詩にしています。」

加えて、幅さんは、詩人として活躍している伊藤比呂美さんの『女の一生』を紹介。

「これは、伊藤さんが親身になって人生相談に応えるという内容。正解がない人生の問題に丁寧に答えています。“親の愛は呪いである”など、ぎくりとする回答も多くあり、読みごたえもあります。」

続いて幅さんが紹介したのは、暮らしにまつわる本。

『くらしのこよみ 七十二の季節と旬をたのしむ歳時記』は、かつて日本で使われていた“二十四節季 七十二候”の暦を、現代風に解説した本です。季節の野菜、旬の果物などが美しいビジュアルと共に紹介されています。

「例えば、今日6月30日の解説を読むと、二十四節季では“夏至”で、七十二候だと“菖蒲華(あやめはなさく)”という季節です。旬の魚は鮎で、鮎はどういう魚か……と言うように、季節を切り口に日本の文化風土を教えてくれます。世の中から季節感や旬が消えていく今、季節を楽しむのにピッタリの本。これは、百科事典で知られた平凡社が作っており、その時期の解説が丁寧でわかりやすい。手に取りやすいところに置いておきたい一冊です。」

他にも幅さんは、『ティファニーのテーブルマナー』を紹介。

「シルバーカトラリーの専門店だったティファニー。ストーリー仕立てのマナーブックは、ウィットに富んでおり、イラストも美しく、パラパラと眺めているだけで楽しいですよ。」

最も紹介冊数が多かったのは、食にまつわる本。

なまめかしい食の描写が秀逸な、『ことばの食卓』(武田百合子著)、人気作家の山崎ナオコーラさんや、角田光代さんほか12人の酒の上での話をまとめた『泥酔懺悔』のほかにもおススメがたくさん。

「心地よく切れ味がいい文章で知られる、平松洋子さんの『おとなの味』。これは、“申し訳ない味”“消える味”など、食とそれにまつわる情景のエッセイ。小さな物語を楽しめます。

そして、フードライターの井川直子さんの『シェフを「つづける」ということ』。これは2000年代にイタリアに渡った若きシェフたち15人の10年間を追ったノンフィクション。不景気と激変する環境、人種差別、肉体的ハンディキャップを負う……それでも好きなことにしがみ続ける喜びと困難を描いた人生讃歌です。」

他にも幅さんは、同じく井川直子さんの『昭和の店に惹かれる理由』を紹介。「目黒の『とんき』、湯島の『シンスケ』など、暖簾を守り続ける彼らが何をしていたのか、その心意気を感じるはずです。」

ほかにも幅さんがおすすめした本を、ズラッと紹介。

漫画家・九井諒子さんの『ひきだしにテラリウム』。

「日常の中に異界が広がっているような、ちょっと不思議な世界観。藤子・F・不二雄さんのSF作品に通じるものがあります。一作一作に絵のタッチが違うのが特徴的。」

映画『魔女の宅急便』の、角野栄子さんによる原作シリーズの中から、最新作『キキとジジ』。

「映画とは違い、6巻もある壮大なストーリー。これは魔女猫・ジジを中心にした物語。映画のファンの方は、ぜひ。」

『VOGUE』などのファッション雑誌で活躍する、フォトグラファーTim Walker の写真集『Tim Walker Pictures』。

「洋書の写真集というとハードルが高いと感じるかもしれませんが、これは幻想的で美しい写真ばかりで楽しめます。着ているドレスがどこのブランドか、など余計なことを考えずに、純粋に美を堪能してください。」

写真家・中川正子さんの『ダレオド』。

「母親でもある女性写真家が見ている世界の写真集です。彼女はインスタフラムでも有名ですが、写真集で見るとまた違った気づきがあるはずです。」

これであなたも本マスター⁉

本の読み方には正解がない! 楽しみ方は自由自在

今や、本は検索して購入する時代になり、目的以外の本と出会う機会が減っています。

「本は食べ物と似ていて、ピンときたものを読んだ方がいいんです。買うか買うまいか迷ったら、買ったほうがいいでしょう。出会った一冊は、日々の生活に深く関わり、読んだ人自信を左右します。日常の自分を駆動させて、健やかで必要なエネルギーをくれるもの。読んだ冊数が多く、難しい本を読んだ方がエライ、というような風潮がありますが、そうではありません。本の楽しみ方には正解がありません。読めばあとからじわじわと効いてくる、遅効性の道具のようなものです。」

幅さんが紹介した作品を参考に、プレミアムフライデーや週末に、本屋さんを巡ってみませんか?

次回のプレミアムフライデー(7月28日(金))は、生態科学研究機構理事長・新宅広二sさんをゲストにお招きして「オトナのための動物講座」が開催予定! プレミアムフライデーに“美知識”をつけて、有意義な週末を過ごしましょう♪

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