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新宅さんが解説!教養が身につく“美知識”大人のための動物講座で、プレミアムフライデーを満喫!

2017.7.28

毎月プレミアムフライデーに開催している、「オトナの活かせる“美知識”講座」では、知れば“ちょっと賢く”なれるお得な情報をお届けしています。7月28日(金)に行われた第3回目のゲストは、動物行動学者として20年以上大学で教鞭をとられた、生態科学研究機構理事長の新宅広二(しんたくこうじ)さんです。

今回は、グランツリー武蔵小杉だけのために、ジャイアントパンダの出産と育児、動物の表情についてなど、かわいらしい動物の行動と心理について、お話を伺いました。

パンダの鳴き声は20種類以上⁉ 生態を知るともっと楽しくなる!

新宅さんは、長年にわたるフィールドワークを通じ、科学番組や動物バラエティ番組、動物園・水族館・博物館の展示企画・監修、自然環境の保全、環境教育の監修などを手がけています。現在放送中のWOWOW『BBC earth 2017』、テレビ朝日『あいの結婚相談所』の監修も務め、学問からエンターテイメントまで幅広く活躍中。そんな新宅さんに、動物とその行動学について、解説いただきました。

まず、最初に紹介されたのは、上野動物園で赤ちゃんが誕生し話題になっている、ジャイアントパンダについて。

「上野動物園のパンダ舎に行くと、ガラス張りでタイル床……自然の状態から遠く、パンダがかわいそう、と思う人がいます。しかし、あの中は気温が氷点下になる3000~4500mの高地で生息するパンダにベストな環境に整えているんですね。タイルの床も冷えており、糞や尿を採取して解析し、体調管理をしています」

パンダの鳴き声や性格についても、新谷さんは解説。

「パンダの泣き声は20種類以上あり、日によって違います。ワンワン、メエメエなどさまざまなバリエーションがあるんですよ。“食肉目クマ科”に種別されるパンダは狂暴であると思っている人がいますが、そうではないのです。あの根拠は“人間のジャンパーが大好きなパンダがいたこと”によります。なぜかそのパンダは、ケージの近くにジャンパーを着た人が来ると、抱きかかえてはぎ取ってしまうという性格をもっており、その写真が出回ったことで、“パンダ=狂暴”とされてしまったのです。ほかにもユニークな行動をするパンダがいますが、遊び心が旺盛で、人懐っこい性格をしています。パンダの特徴として、“大人になっても遊ぶ”ことが挙げられます。肉食獣、猿、牛や羊など有蹄類の動物は、子どもの頃に仲間と追いかけっこしたり、木の上に登ったり、親子でじゃれ合ったりして遊びますが、大人になると遊ばなくなる。しかし、パンダは大人になっても遊ぶのですね。その仕草がとてもかわいらしいのです」

続いて新谷さんが解説したのは、動物の感情について。

「狼を参考にすると、ポイントは耳と目と口で、耳を寝かせて、目を開き、口を縦に開けているときが一番攻撃性の高い状態です。また、動物は嘘をつくかどうかについてもよく質問されます。結論から申し上げると、動物は嘘をつきます。例えば、アメリカ大陸唯一の有袋類・オポッサムや蛇は死にまね(死んだふり)をしますし、鴫(しぎ)などの鳥もけがをしたふりをします。これは敵を油断させて一か八かの攻撃をしたり、自らが囮(おとり)となって卵やヒナから敵を遠ざけるという目的があります」

「あとは『セルフギャッピング』という行動も興味深いですよ。これは、ライオンが赤ちゃんライオンにお尻を噛まれて痛そうにしている写真で解説しましょう。通常ならば威嚇するところですが、赤ちゃんが噛んでいるので痛そうなふりをしてあげています。パワーをコントロールして相手に合わせてあげているという、非常に徳の高い行動ともいえます」

「また、動物の葛藤行動も面白いですよ。よく人間も、“行こうかな、ああやめようかな”というときに、ウロウロ動いたり、迷ったりしますよね。あれと同じ行動を動物もしています。動物が攻撃か逃避の選択といった葛藤状況に置かれた時に出てしまう行動のこと。こういう行動をすることを知って、動物を見るとまた違った発見があるかもしれません」

最後に、新宅さんは来場者の質問にも気軽に答えてくださいました。ここでは代表的な質問をピックアップしてご紹介します。

Q「巣から落ちた鳥のヒナを保護しました。親が餌を運んでいるようですが、飛び立つかどうか不安です」
A「親は巣から落ちたヒナも育て続けるので、そろそろ飛び立つ日が来るはずです。これは、今後の知識として押さえていただきたいのですが、ヒナを見たときのベストな行動は無視することです。人間は野良猫に襲われたり、クルマにひかれたらかわいそう……と、保護したくなりますが、親鳥任せにしたほうがいいですよ」
Q「犬が寝ながらうなったり、笑ったりしているのですが、夢を見ているのでしょうか?」
A「現在の研究では、動物は夢を見ないとされています。夢は複雑な感情を持ち、言語を操り、それらを眠りながら整理する必要がある人間のみのものです。動物は言語を持たないので、記憶も感情も複雑になりにくいのです。しかし今は、動物が夢を見るかどうかについての研究も進んでいます。もしかしたら、夢を見ていたという結果になるのかもしれませんね」
Q「ヒアリは繁殖するのでしょうか?」
A「それほど恐れなくてもいいと感じます。外来種というと、外からやってきて日本の生態系を壊すイメージがありますが、在来種だってそんなに弱くはありません。ヒアリも今まで入ってきていたはずですが、ニュースにならなかっただけだと感じています。外来種=悪者扱いされていますが、それほど脅威に感じなくてもいいと思いますよ」

これであなたも動物マスター⁉ 人間との共通点を探してみよう

「猿のみならず、動物を観察していると、人間と非常に似ていると感じることがあります。例えば、パンダの面白い事例があります。1972年に日中国交回復を記念し、ジャイアントパンダのカンカンとランランが中国から贈られてきました。情報もなく、未経験だった当時の上野動物園の飼育課長・中川志郎さんはじめとするチームの苦闘はテレビ番組にもなりました。印象的だったのは、公開前日に高熱を出したパンダに、中川さんが漢方薬を処方してもらい飲ませたというエピソード。中国の動物だから漢方薬だと考えたそうです。それが功を奏して、熱は下がった。そんな背景を知りつつ、動物に興味を持つと、さらに深く知識は広がっていくはずですよ」

新谷さんに教えていただいた知識を元に、プレミアムフライデーや週末に動物園に行ってみませんか?

次回のプレミアムフライデー(8月25日(金))は、歴史コメンテーター・金谷俊一郎さんをゲストにお招きして「歴史から学ぶ!旦那を出世させる歴史講座」が開催予定! プレミアムフライデーに“美知識”をつけて、有意義な週末を過ごしましょう♪

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